箱根駅伝の日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
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日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。毎年、1月2日、1月3日は箱根駅伝が開催されています。箱根駅伝の正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」であり、関東学生陸上競技連盟が主催し、読売新聞社が共催しています。箱根駅伝は学生長距離界最大の駅伝競走であり、東京・大手町から鶴見・戸塚・平塚・小田原の各中継所を経て、箱根の芦ノ湖までの往路5区間(107.5km)、復路5区間(109.6km)の合計10区間(217.1km)で実施されています。なお、関東学生陸上競技連盟に加盟している関東の大学のうち、前年大会で総合順位10位までに入ったシード校と、予選会で勝ちあがった計20校、そして、これに加えて関東学生連合チームを加えた21チームが出場します。
箱根駅伝は1920年2月14日と2月15日に第1回大会が開催され、1955年の第31回大会からは1月2日に往路、1月3日に復路を走るという現在の形式・開催日となっています。そして、2020年に創設100周年を迎え、同年1月の第96回大会では1月2日(木)午前8時00分に大手町の読売新聞社前から一斉にスタートしています。
では、箱根駅伝やジョギング・ウォーキング・ランニング・マラソンと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
ウォーキングやマラソンなどはいずれも持久的運動であり、いわゆる有酸素運動に該当するものです。では、運動の種類別にその効果をまとめていくと以下のようになります。
・ウォーキング:セロトニン・ドーパミンの分泌促進やコルチゾールの分泌低下
気分の安定、リラクゼーション、ストレス軽減など
・ジョギング:エンドルフィン分泌、海馬の神経新生促進
抑うつ・不安の軽減、自尊感情の向上など
・ランニング:βエンドルフィン・アナンダミド増加、報酬系の活性化
精神的高揚(ランナーズハイ)、達成感など
・マラソン:前頭前野の機能向上、ストレス耐性神経回路の強化
レジリエンス(心の回復力)の強化、自己効力感の上昇など
これらのメカニズム(作用機序)として、まずは抑うつ・不安に対する効果があります。メタ分析の結果から、有酸素運動は抗うつ薬と同等かそれ以上の効果を示すことが報告されています。また、不安の緩和については軽度や中等度の不安に対して、20〜30分の有酸素運動が即時的な鎮静効果をもたらすことが判明しています。さらに、運動によって交感神経活動が一時的に高まった後、副交感神経優位に戻るリズムが整うことで心拍変動(HRV)が改善し、自律神経機能の向上や感情の調節機能が向上するとされています。
そして、これらの運動は自尊感情や自己効力感にもポジティブな影響があることが判明しています。これらの運動を継続することが可能なら、自分自身の中で「できた」という成功体験が積み重なり、自己効力感が向上します。また、ジョギングやマラソンの完走体験は
努力は必ず報われる、困難を乗り越えたという自信や自己肯定感を強化し、心理的レジリエンスを高めるとされています。
これらの運動は適切な睡眠とも関連しています。ウォーキング等の比較的軽度の運動はストレスホルモンであるコルチゾールを低下させ、日中の緊張を緩めることができます。また、体温リズムが整うことで睡眠の質が向上します。さらに、睡眠の状態が改善することで、情動調整・記憶統合などの心理的な機能も調整されます。
そして、神経心理学的な観点からは、これらの運動によって、海馬では神経新生・体積増加、それによる記憶力・ストレス耐性向上があります。前頭前野では認知制御・注意力改善・衝動抑制・感情調整などがあります。側坐核では報酬系の活性化、モチベーション向上などがあります。扁桃体では過剰反応の抑制、不安軽減などがあります。
なお、運動の量・質ですが、1回20〜40分程度、週3〜5回の中強度運動(心拍数の60〜75%)が最も効果的であるとされています。
このようにウォーキング・ジョギング・ランニング・マラソンなどは、メンタルヘルスにも様々なポジティブな影響を及ぼすものとなっています。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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