コラム

建国記念日と心理学の関係(4)

2024.2.15 心理
  • 知覚心理学

建国記念日と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。 

 

日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。
2月11日は「建国記念の日」に制定されています。これは、
1966年の「祝日法」改正により「建国をしのび、国を愛する心を養う」ことを趣旨とし、国民の祝日として制定されたものです。2月11日は古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇が即位した日に由来しています。 

 

 では、建国記念の日と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
基本的に心理学は海外、特にヨーロッパやアメリカを期限としてスタートしているものであり、日本はそれらの知見を「輸入」するという立場にあります。
しかし、なかには日本由来の心理学・カウンセリング・メンタルヘルスに関する研究・実践があります。本コラムでは引き続き「日本発」や「日本初」の心理学・カウンセリング・メンタルヘルスについて、解説していきたいと思います。
 

 

 

 

禅の心理学的研究

 

 座禅は仏教の一部の宗派における修行法の1つです。
現在では、リラクゼーションを目的とした瞑想法の1つとしても活用されています。
座禅をそのような応用的利用をするきっかけとなったのは、座禅に関する心理学的研究であり、その研究を行った代表的な人物の1人が秋重義治先生です。
秋重先生は九州帝国大学(現在の九州大学)・法文学部を卒業し、19
39年に博士号(文学)を取得されています。
その後、九州大学で教授となり、主に知覚心理学における知覚的恒常性に関する研究を行い、若い研究者を養成するとともに多くの研究論文を発表されています。

退官後は、駒澤大学・文学部の教授となり、現在の駒澤大学および大学院の心理学専攻の基礎を確立されたのが秋重先生です。秋重先生は座禅(禅)に関心を寄せており、駒澤大学に移ってからは同大学の禅研究所を設立し、禅に関する心理学的研究を行っています。
また、
1979年に自ら出家もされています。秋重先生は知覚心理学における知覚的恒常性と座禅の2つの研究領域に共通する概念は「脳の意識野における不変性の原理ではないか?」と述べられています。
ちなみに、駒澤大学は元々、仏教の中の曹洞宗の系列の大学で、仏教学部があり、座禅が授業として実施されていて、学内に大きな座禅堂もあります。また、心理学科では禅心理学という授業が必修で実施されています。
 

 

座禅は独特の呼吸法などを実施することで、脳波や自律神経に影響を及ぼすことが判明しています。
脳波に関しては、リラックス状態で多く認められるα波が増加し、自律神経については交感神経・副交感神経のバランスが良くなることが分かっています。
 

 

 

アージ理論

 

アージ理論とは、心理学者の戸田正直先生が1992年に提唱した人間の感情に関する理論です。
アージとは「駆り立てる」や「衝動性」というような意味があります。
一般的に感情は非合理的で、反知性的なものとして認識されることが多く、カウンセリング・メンタルヘルスにおいても、感情に振り回される状態は「よくない状態」であり、治療・支援によって改善すべき対象となることが多いです。

認知行動療法などの心理療法は、感情よりも認知に注目し、冷静に自分の感情を捉えるというアプローチを取ることがあります。
しかし、アージ理論では生物としての進化や自然環境における適応という観点から、感情の必要性について論じています。
つまり、感情が現在の人間にあるのは、何か合理的な機能が感情にはあるからであるという前提で、感情について検討しようとするものです。
このように、自然環境に適応するために進化してきた「心のソフトウェア」として感情を捉え、さらに感情を1つの大きなシステムとして捉えるのがアージ理論なのです。
アージ理論では、感情をアージ・システム(urge system)とよび、怒りアージや恐れアージ等の感情的なアージを中心に生理的アージや認知アージなどの分類があります。
 

 

 

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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