心理

2020/8/6

7月生まれの心理学・カウンセリング・メンタルへルスの専門家 Part4

心理学・カウンセリング・メンタルケアの専門家には、7月生まれの著名な先生方がいます。フェレンツィ・シャーンドルは精神分析におけるハンガリー学派の中心的な人物の1人です。

※初めに、8月に「7月生まれの心理学・カウンセリング・メンタルへルスの専門家 Part4」の公開となり読者の皆様には公開が遅れて申し訳ありません。

 

心理学・カウンセリング・メンタルケアの専門家には、7月生まれの著名な先生方がいます。フェレンツィ・シャーンドルは1873年7月7日生まれの、ハンガリーの精神分析家です。

 

シャーンドルは、精神分析の創始者であるジグムント・フロイトに弟子入りし、初期の段階では同僚として、研究・実践に務めました。しかし、他の多くの弟子と同様に、最終的には師のフロイトと袂を分かつことになりました。

 

フロイトと距離を置くようになった後、シャーンドルは母国のハンガリーで自身が中心となる新たな精神分析の学派を確立していきます。これは、ハンガリー学派とよばれるものです。

 

ハンガリー学派には、何人かの著名な精神分析家が強い影響を受けています。たとえば、子どもの精神分析的治療や遊戯療法の創始者の1人であるメラニー・クラインもその一人です。

 

クラインが創始した児童分析とは、成人を対象とする場合と同様、抵抗や防衛、転移などの解釈を扱うが、まだ発達途上にある子どもの場合、連想やコミュニケーションの能力が不十分なことを考慮し、遊戯療法などによる分析を実施するというものです。

 

クラインは児童でも遊戯療法で得られるものは自由連想法などで得られるものと同様・同質であると考えており、子どもの場合も成人と同じように解釈を進めることによって深層心理・無意識的な精神状態を理解することができると考えていました。

 

クラインがハンガリー学派と繋がりを持つきっかけとなったのは、1910年に夫の仕事の関係でハンガリーのブダペストに転居し、その3年後に長男が生まれたことであるとされています。

 

また、クライン自身の母親が亡くなった過程で、いわゆる「うつ病」(抑うつ状態)に近い状態になったことで、当時すでに著名な精神分析家であったシャーンドルにカウンセリングを受けたことも大きく影響しているとされています。その後、クラインは対象関係論とよばれる精神分析の新たな学派の中心人物となっていきます。

 

もう一人、シャーンドルのハンガリー学派の影響を受けた人物として有名なのが、ドナルド・ウィニコットです。ウィニコットは小児科医でもあり、クラインと同様に精神分析を子どもに適用する方法に関する研究・実践をしていました。

 

ウィニコットが提唱した理論・仮説として有名なものに移行対象というものがあります。移行対象とは、毛布・タオル・ぬいぐるみなど乳幼児が特別な愛着を寄せるようになる主に無生物の対象のことを指します。

 

ウィニコットは、こうした対象は主観的体験様式から客観的体験様式への、また母子未分化な状態から分化した状態への「移行」を促す役割を持つと述べています。一般的に、生後1年目の後半から2年目にかけて発現する場合が多く、母親との分離などのストレスフルな状況において、母親の象徴的代理として、子の情緒を安定させる機能を持つとしています。

 

また、ウィニコットは芸術療法(描画法)の一種であるスクイグルを開発したことでも知られています。スクイグルとは、クライエントとカウンセラーが交互に描線を描きあう技法であり、遊戯療法などのように子どもを対象としたアプローチとしても活用されています。ウィニコットも後に、クラインが中心となった対象関係論の学派で活躍する精神分析家となっていきます。

このように、シャーンドルが確立したハンガリー学派は、様々な精神分析家に影響を及ぼしており、特に児童分析や遊戯療法などのように、子どもを対象とした精神分析に大きな及ぼしているのです。

 

シャーンドルおよびクラインやウィニコットが専門としていた精神分析については、こころ検定2級(メンタルケア心理士)のテキストであるカウンセリング基本技法の第6章で概観していますので、ご興味・ご関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。

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