心理

2022/9/22

9月生まれの心理学・カウンセリング・メンタルへルスの専門家⑤

心理学・カウンセリング・メンタルケアの専門家には、9月生まれの著名な先生方がいます。エドガー・ルビンは「ルビンのつぼ」で有名です。 

 

▶エドガー・ルビン


エドガー・ルビンは1886年9月6日生まれのデンマークの心理学者です。

ルビンはコペンハーゲン大学で哲学と心理学を学んだ後、ドイツのゲッティンゲン大学に留学します。
そこで、後の心理学者であるイェンシュやカッツらとともに、実験心理学者のミュラーの弟子となり研究をスタートされました。
ルビンらは哲学者のフッサールの影響を受け、実験現象学派とよばれる学派を形成していました
 

 

1915年に博士号の学位を取得したルビンは翌1916年に母国であるデンマークに帰国します。
そして、母校でもあるコペンハーゲン大学で教授となりました。
ルビンの実施した代表的な研究の1つが図と地に関するものです。
視野の中で形をもって浮き出て見える領域を図
その背景となって見える領域を地とよびます。

ルビンは人の横顔と盃の2通りの見え方が交替する図形の観察を通じて同一の領域でも役割が異なると全く様相が異なることを指摘しその現象的差異について研究をしています。
これは、ルビンのつぼとよばれる図形であり、名前は知らなくても、見たことがあるという人は多いのではないでしょうか。
より具体的な図と地の特徴には、次のようなものがあります。
 

 

1. 図となった領域は形をもつが、地は形をもたない。 

 2. 2つの領域を分ける境界線は、図となった領域の輪郭線となり、図の領域の末端として図に所属し、地はそこで終わらずに、図の下にまで広がっている印象を与える。 

 3. 図は物の性格(特性)を有し、地は材料の性格(特性)をもつ。 

 4. 図となった領域は地となった領域よりも色が堅く、密で、定位が確定的である。 

 5. 一般に図は観察者の方に近く定位される。 

 6. 図は地よりも印象的であり、意識の中心となりやすい。そのため、図は記憶されやすく、何らかの意味を担いやすい。 

 

視野の中でどの領域が図となりやすいかについては、知覚心理学の理論であるプレグナンツの傾向の具体例として呈示されることが多いです。
プレグナンツの傾向とは、次のようなものです。
 

 

1. より狭い領域、より面積の小さい領域は図になりやすい。 

 2. 閉じられた、または、取り囲まれた領域は図になりやすい。 

 3. 空間を内側に曲がった線が取り囲む場合、完全に取り囲まれていなくても、内側ないし凸面になる領域が図になりやすい。 

 4. 同じ幅をもつ領域は図になりやすい。 

 5. 空間の主方向である垂直・水平に広がる領域は、斜め方向に広がる領域よりも図になりやすい。また、下から上へ伸びる領域は、上から下へ伸びる領域よりも図になりやすい。 

 6. 観察者にとって見慣れた特徴的な形をもつ領域、熟知した形をもつ領域は図になりやすい。また、観察者に与えられた教示や態度も図になりやすさを規定する。 

 

そして、ルビンのつぼのような図形などの視覚的なものだけではなく、より幅広い事柄に「図と地」という概念が当てはめられることも判明しています。

 

たとえば、自分自身が関心を持っていて、意識の前面になっている対象は「図」となり、背景的で意識されない対象は「地」として理解されます。
これらは、物理的・客観的には同じ状況でも
把握の仕方で心理的・主観的には全く異なった状況の理解になることを示す例として使われることも多いものです。 

 

ルビンのつぼに代表される図と地の研究は、現在では知覚心理学の領域となっています。
この分野は、こころ検4級の第4章で概観していますので、興味・関心のある方は、是非、勉強してみていただければと思います。
 

 

著者・編集者プロフィール


この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部 「つぶやきコラム」は、医療・福祉・心理学・メンタルケアの通信教育スクール「TERADA医療福祉カレッジ」が運営するメディアです。 医療・福祉・心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、調べたいことがある、学んでみたい人のために、学びを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

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