心理

2019/5/13

不安症とは

不安症は他の精神疾患と併発することも多いものですが、実際にはどのような疾患なのでしょうか。

不安症は心因性精神障害に分類される精神疾患で、代表的なものに、全般不安症パニック症、広場恐怖症、限局性恐怖症、社交恐怖症などがあります。

 

そもそも、不安とは自己存在を脅かす可能性のある破局や危険を漠然と予想することに伴う不快な気分のことと定義されています。

 

また、漠然とした不安が何かに焦点化され対象が明確になったものを恐怖(fear)と定義しており、学習心理学・行動分析学における行動理論では、不安と恐怖は明確に区別せず、問題行動や回避行動に影響を与えるネガティブ感情として捉える場合もあります。

 

一般的には,恐怖が特定の脅威事態に直面した時に生じる刺激誘発型の感情であるのに対して、不安は予感・予期・懸念といった個人の認知機能に大きく依存した認知媒介型の感情であるといえます。

 

また、不安は信号や手がかりを通じて未来の危険を現在に手繰り寄せることによって発生することから、時間的展望において生じる現象であり、本質的に未来志向的な感情であるといえます。

 

これらの不安障害群に分類される精神疾患に共通する特徴として、発症原因に心因の関与が大きいとされています。

 

最も代表的な不安症は、全般不安症であり、その名が示す通り、特定の出来事や状況ではなく、多数の出来事や活動に対して過剰な不安や心配(予期憂慮)がほぼ毎日のようにあるという疾患です。

 

いわゆる“心配性”というものと似ていますが、全般不安症は筋肉の緊張などの身体症状を伴う場合があり、社会的な日常生活に支障をきたす状態であることが前提となります。

 

また、以下のような精神疾患も不安症群に分類されるものになります。

 

分離不安症:

 

愛着を持っている人物(両親・親族・親友など)からの分離に対して、発達的に不適切で過剰な恐怖・不安・苦痛を感じる疾患が分離不安症です。

 

ここでいう分離とは、病気や怪我などで対象者と会えなくなる、死別することなどです。

 

また、分離されるような出来として、迷子・誘拐などに対して過剰な不安と恐怖を感じるというものです。

 

さらに、分離への不安から物理的に対象者から離れる行動である通学・通勤などに対する抵抗・拒否などがあります。不安が主な症状としてあるため、不安症群に分類されています。

 

選択性緘黙:

 

緘黙とは明瞭な言語反応が欠如した状態という意味です。

 

選択性緘黙とは、ある特定の状況(例:学校)などでは一貫して会話をすることがないという症状を指します。

 

また、基準としてはそのような特定状況における緘黙状態が生活に支障をきたしていることが前提となります。

 

特定の状況における不安が緘黙の原因であることが多く、不安症群に分類されています。

 

醜形恐怖症:

 

自身の身体的な特徴にとらわれて、鏡を見たり、他者との外見を比較するなどの行動を繰り返すという症状があります。

 

その身体的特徴は「醜い」・「歪んでいる」などと表現されますが、他者には認識できないか、認識できたとしても非常に些細なものであるというのが前提となります。

 

また、このような状態が社会的活動に支障をきたすレベルであることも基準となります。

 

ためこみ症:

 

ためこみ症は価値の有り無しに関わらず「物(モノ)」に対する感情・行動が症状となる精神疾患です。

 

従って、仕事が忙しかった時期に部屋の片付けが疎かになったなどの、一過性の状態ではなく、「捨てる」・「売る」・「譲る」・「リサイクルする」などの様々な手段において所有物を処分することをできないという状態が長期間続くものを指します。

 

行動上の問題としての「所有物の処分の困難」に加え、所有物の処分・廃棄の可能性に直面した際に苦痛を経験するという感情面の問題も合わせて発症するというのも特徴です。

 

物(モノ)に対する感情・行動が強迫的であるため、強迫症に分類されます。

ページ一覧に戻る