コラム

心理学と世界猫の日の関係

2026.8.6 心理
  • 動物心理学
心理学と世界猫の日の関係

世界猫の日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか

【目次】

  1. 1.8月8日は「世界猫の日」
  2. 2.動物心理学という分野
  3. 3.猫の意外な社会性
  4. 4.猫がもたらす心のケア

 

1.世界が猫を想う特別な一日

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。88日は「世界猫の日」に制定されています。これはアメリカに本部がある世界最大の動物愛護団体である国際動物福祉基金(International Fund for Animal WelfareIFAW)が2002年に制定したもので、英語表記は「International Cat Day」または「World Cat Day」となります。この日が制定された由来は不明であるとされていますが、イエネコから野生のヤマネコまで、あらゆるネコの保護について考えることを目的としています。

また、毎年イギリスでは「ナショナル・キャット・アワード」が開催されており、その年に最も注目されたネコが表彰されています。なお、日本では猫の鳴き声「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」と読む語呂合わせから、222日が「猫の日」となっています。他にも「猫の日」は世界各国で独自に制定されており、ロシアでは31日、アメリカは1029日を「National Cat Day」、ヨーロッパの多くの国は217日を「World Cat Day」としています。

では、猫と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。

2.動物にも「心」はあるのか

心理学には動物心理学という分野があります。「動物に心があるのか?」と思われるかもしれませんが、人間と同様に動物にも知覚・認知・生理・行動があり、周囲の環境の変化などに対して適応的に振る舞おうとするという点では共通しています。

そして、動物も子どもから大人へと成長する過程で精神発達するため発達心理学の要素があり、群れで行動する動物には社会性があるため、社会心理学の要素もあります。このように、心理学における動物行動の発生・変容・獲得・発達などの研究を総称して動物心理学とよびます。広義には人間以外の動物を対象としていますが、人間と動物の行動を比較する研究も多く、比較心理学や比較行動学とほぼ同じ意味で用いられています。

 

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3.猫が示す、深い情緒の絆

一般的に、猫は独立心が強く、人間に無関心な動物であると考えられています。しかし、近年の動物心理学の研究によって、猫には複雑な社会性があることが判明しています。たとえば、猫は飼い主の声と知らない人の声を明確に区別していることが示されています。特に、飼い主が猫に語りかける独特のトーン(ペット・ディレクテッド・スピーチ:幼児語のような話し方)に対して、猫は耳を動かす、立ち止まるなどのより強い反応を示すことが明らかとなっています。

そして、犬に特有と思われていた愛着行動が猫にも存在することが確認されています。研究の結果、猫を不慣れな環境に置いた際、飼い主がそばにいるとストレスが軽減され、探索行動が活発になることが示されています。これは、猫にとって飼い主が安全基地として機能していることを示しており、猫と人間の関係が非常に深い情緒的な絆に基づいていることを物語っています。

さらに、猫は表情や姿勢、鳴き声の微細な変化を組み合わせて、人間と高度なコミュニケーションを図っていることも判明しています。特に、人間がゆっくりとした瞬き(キャット・キス)を返すことで、猫との親密度や信頼関係が向上することが実験で証明されています。

4.猫と暮らす、心の健康効果

猫をペットとして飼っているという方も多いかと思います。ペットとの関係性がメンタルヘルスにポジティブな影響を与えることが知られていますが、特に猫をペットとして飼っている場合はどうなのでしょうか。研究の結果、猫は散歩が不要である一方、家の中での密な関わりが可能であるため、臨床心理学の観点では猫の存在が社会的孤立を予防する重要なバッファー(緩衝材)として機能することが示されています。特に一人暮らしの高齢者や対人関係に不安を抱える人にとって、猫は条件なしに自分を受け入れてくれる存在として、自己効力感・自尊感情などの維持に寄与することが示唆されています。

そして、猫を撫でる行為がコルチゾールの低下や心拍数の安定を促すことが確認されています。この現象は精神医学的にも鎮静効果として認識されており、不安障害や軽度の抑うつ状態にある患者の補助的なケアとして、猫との交流が治療プログラムに取り入れられるケースも増えています。

また、猫のケア(食事、環境整備、健康管理)を通じて、飼い主は日常的なルーチンを維持することになります。これは、うつ病などのリハビリテーションにおいて「自分を必要とする対象がいる」という感覚をもたらし、生活リズムの改善を促す効果が報告されています。

このように、猫について心理学では様々な観点から研究が実施されているのです。

 

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著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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