コラム

40代と心理学の関係

2024.4.8

40代と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。 

 

日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。
4月1日は「第二の成人式」に制定されています。
これは
2013年4月1日創刊の雑誌DRESS」(※当時)の発行元である株式会社giftが制定したものです。
この「
DRESS」は40代の女性をメイン・ターゲットとしたもので、女性が40代を楽しく自由で充実した毎日を送るための情報と価値観を提供するというコンセプトとなっています。
そして、40歳の
4月1日を「第2の成人式」と名付け、大人の女性の生き方を応援することとしたわけです。 

 

では、40代のライフスタイルと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
まず、発達心理学の観点から考えると、40代という年代は成人期に該当します。
成人期は青年期の次の発達段階であり、年齢的には30代以降から60代前半くらいまでの長い期間を指します。
そして、40代以降はいわゆる「中年」とよばれる時期でもあります。
実はこの「中年」も心理学的には研究対象となっており、
middle adulthoodやmiddle ageともよばれています。
また、日本の場合は法律として高年齢者雇用安定法というものがあり、この中で中高年齢者を
45歳以上と定めています。
この成人期・中年・40代という発達段階において重要となるのは、発達が停滞しはじめるということです。
これは、それまでの青年期までは見られない特徴です。
発達心理学者のポール・バルテスは発達心理学の分野で初めて、青年期以降の年齢層の精神発達に注目し、本格的な研究を進めた1人であると言われています。
バルテスは成人期以降の人間の発達は加齢に伴う何らかの能力の獲得・成長と何らかの能力の喪失・衰退が両方ともに発生するとしています。
バルテスはこれを獲得・喪失モデルとして提唱しており、その中で生活環境への適応能力の獲得と喪失に関する理論を展開しています。より具体的には、以下のような流れです。
 

 

  1. 発達的変化が多次元性・多方向性を持っている
  2. 年齢に結びついた発達的要因と結びついていない要因があり、ともに重要 
  3. 成長・獲得と衰退・喪失とは相互作用として発生し、これらの2つの要素の 
  4. ダイナミックで持続的な相互作用が発達を特徴づける 
  5. 個人の精神発達は歴史的・構造的・文脈的な要素によって成り立っている 
  6. 発達において潜在能力の存在とその可塑性可変性の範囲を明確にすることが重要 

 

また、日本における40代の精神発達では、2つの特徴的な傾向が認められるとされています。
1つは、空の巣症候群とよばれるもので、これは女性に多く認められるものです。
空の巣症候群とは、子どもが発達の過程で自立・独立していくことで、女性が母親としての役割を終え、虚しさや空虚感を覚えるというものです。
ただし、最近では子どもの自立・独立自体が「後ろ倒し」になる傾向があり、子どもが「巣立たない」ということも多くなっています。
これは母親としての役割が続くことを意味しており、虚しさや空虚感というネガティブな感情が発生しにくくなっているとも考えられます。
一見、これは良いことのように思えますが、子どもがいつまでも「巣立たない」ということがストレスになってしまうこともあります。
 

 

もう1つは、上昇停止症候群とよばれるものです。
これは40代になる段階で、社会において管理職としての立場になっていく人が多い中で、自分だけが管理職のポストにつけていないという状況において発生するとされるものです。
自身のキャリアの停滞が決定的となるものの、年齢的に転職も難しいという40代の段階で抑うつ的になってしまったり、仕事への意欲が低下してしまうのが上昇停止症候群なのです。
 

 

このように、心理学においては、発達心理学における成人期の研究の中で「40代」という年齢区分についても研究が進められているのです。 

 成人期などの発達心理学について、興味・関心のある方は、こころ検定3級の第1章で概観していますので、是非、勉強してみていただければと思います・ 

 

 

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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