コラム

交通と心理学の関係

2024.5.31 心理
  • 交通心理学
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交通と心理学には、どのような概念なのでしょうか。

 

【目次】

  1. 1.5月26日は「東名高速道路全通記念日」
  2. 2.5月25日は「愛車の日」
  3. 3.交通心理学について
  4. 4.交通心理学の研究分野について
  5. 5.まとめ

 

1.5月26日は「東名高速道路全通記念日」

日本には365日の全てに何らかの「記念日」が制定されています。5月26日は「東名高速道路全通記念日」に制定されています。これは1969年の5月26日に神奈川県足柄上郡大井町の大井松田インターチェンジから静岡県御殿場市の御殿場インターチェンジが開通し、東京から小牧まで346kmにおよぶ東名高速道路(東名高速)が全線開通したことがきっかけとなっています。

 

この全線開通から遡ること4年前の1965年に既に開通していた名神高速道路(名神高速)にも、東名高速は小牧インターチェンジで接続し、東京と西宮の536kmが高速道路で結ばれ、関東・中京・関西を結ぶ日本の大動脈となりました。この東名高速は東京都世田谷区の東京インターチェンジから、神奈川県、静岡県を経由して、愛知県小牧市の小牧インターチェンジへ至る高速道路であり、正式名称は第一東海自動車道となります。

 

2.5月25日は「愛車の日」

また、5月26日と1日違いで、5月25日は「愛車の日」に制定されています。これは日本初の外国車ディーラーである株式会社ヤナセが創立記念日である5月25日をきっかけに制定したものです。ヤナセは2015年に創業100周年となることから「車を大切にする心」「車のある人生の豊かさ」をアピールして、さらに広く「愛車」の精神を伝えることを目的として、記念日の制定を進め、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。

 

偶然にも、5月25日・5月26日と連続して「車」「交通」に関連した記念日となっていますが、では、車や交通と心理学にはどのような関係があるのでしょうか。

 

3.交通心理学について

心理学には交通心理学という分野があります。交通心理学は交通場面における人間行動(ドライバー・歩行者・自転車乗用者の交通行動)を解明し、交通事故の防止に寄与することを目的とする応用心理学的な研究分野です。交通心理学の特徴として、実際の行動場面における人間の様々な行動を研究対象として、人間理解を深めていきつつ、事故防止という観点から社会に貢献する点が挙げられます。

 

4.交通心理学の研究分野について

 

① 運転時の人間の情報獲得・処理特性の研究:

この分野は主に視覚機能に関する研究となっています。より具体的には、視力と事故、違反の発生率との関係に関する研究などです。ただし、研究の結果として、静止視力と事故や違反の発生率との間にはほとんど関係が認められていないことが判明しています。ただし、動態視力との間にはある程度の関係性が認められていることが判明しています。これは運転行動には注意の払い方等のより高次の情報処理機能が重要であることを示しています。また、注意の払い方については、注意の切り替え能力の高い者ほど事故発生率が低いことが報告されています。

 

② 交通事故発生と運転適性の関係の解明:

この分野は事故と運転適性の関係性について解明することを目的としています。研究の結果、事故多発者は単純反応時間に対する選択反応時間の増加率が高く判断速度に問題のあること、動作時間は早いが知覚時間が遅いことが報告されています。年齢と事故発生率に関する研究では、25歳以下の若年者で顕著に高く、また、55歳以上の高年齢者でも高いことが報告されています。

 

③ 交通行動の文化的背景の解明:

この分野は交通行動の文化的背景を比較することを目的としています。欧米と日本を比較すると、優先権に対する意識や道路空間の利用規範意識が日本の方が相対的に低いことが判明しています。また、欧米に比べると日本では赤信号からの発進タイミングが早いことや都市部における歩行速度の早いことが特徴として報告されています。

 

④ 交通安全教育方法の研究と普及:

この分野は交通安全教育の研究と普及を目的としています。より具体的には、交通に対する態度変容をもたらす安全教育の手法、幼少時から老年期にわたる一貫した交通安全教育の必要性などに関する研究が実施されています。そして、交通行動を単なる知覚運動技能として捉えるのではなく、対人行動や社会的行動という観点から取り組むことの重要性が主張されています。

 

5.まとめ

このように、心理学では交通心理学という分野で車や交通に関する研究が実施されているのです。

 

 

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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