心理

2019/6/13

PTSDとは

PTSDとは、心的外傷後ストレス障害のことであり、ストレスを原因とする代表的な精神疾患の1つです。

精神疾患には何を原因として発症するのかによって、大きく3つの分類があります。

 

そのうちの1つが心因性精神障害であり、ストレスなどが原因で発症するが、脳や神経伝達物質の異常はあまり認められないものを指します。

 

心因性精神障害には、パニック症や強迫症、などが含まれますが、最も代表的なものとして、心的外傷後ストレス障害(PTSD)があります。

 

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は当初、戦争神経症とよばれていました。

 

これは、戦時下および戦後に復員した兵士が様々な症状を示したことに起因しています。

 

戦争神経症とよばれていたころに心的外傷後ストレス障害(PTSD)を研究していた代表的なものとして、ジョセフ・ウォルピやヨハネス・ハインリッヒ・シュルツなどがいます。

 

ウォルピは戦争神経症の研究過程で行動療法の技法の1つである系統的脱感作法を開発し、シュルツは自律訓練法の体系化のきっかけをつかみました。

 

従って、戦争神経症の研究と治療・支援は、現在の様々な心理療法の発展に貢献していると言えるでしょう。

 

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、何らかのストレス要因が発生したことに起因する精神障害です。その「きっかけ」となる要因には以下のようなものがあります。

 

・戦争:死と隣り合わせの恐怖、長時間に及ぶ極度の緊張、拷問、略奪、戦争犯罪など

 

・犯罪:性的暴行、強盗、傷害、殺人、殺人未遂など。

 

・災害:自然災害:台風・・竜巻・落雷・地震など

 

・人為災害:火災・公害など

 

・予期できぬ災:交通事故、身体機能および内臓器官の重度な病など

 

研究の結果、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症要員には戦争以外にも様々なものが含まれるということが分かり、名称が戦争神経症から心的外傷後ストレス障害(PTSD)に変化したわけです。

 

また、上記のような出来事をどのように知覚(経験・体験)するのかも重要な要素となります。心的外傷後ストレス障害(PTSD)では、以下の3つの状況において、発症する可能性があるとされています。

 

① 直接経験する

 

② 他者に起きた出来事を目撃する

 

③ 親族・友人などの身に起きた出来事について聞く

 

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は直接クライエント(患者)本人が経験するだけでなく、目撃することや限定された条件において「話を聞いた」という場合にも、発症する可能性があるのです。

 

また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)には以下のような症状が認められ、このうちいくつかが認められる場合に診断されることになります。

 

・ 苦痛を伴う記憶を突然、繰り返し思い出す

 

・ 苦痛を伴う夢を繰り返し見る

 

・ フラッシュバック(現実認識の喪失)

 

・ 強烈な心理的苦痛

 

・ 強烈な生理的反応

 

・ 心的外傷的出来事に関連する苦痛を伴う記憶・思考・感情そのものを回避するか、回避しようと試みる

 

・ 心的外傷的出来事に関連する苦痛を伴う記憶・思考・感情を生起させる人・場所・会話・行動・物・状況などを回避するか、回避しようと試みる

 

・ 記憶の異常(思い出せない等)

 

・ 自他に対する強い否定的な思い込みや予想

 

・ 自身への過剰な罪責感や他者に対する過剰な非難

 

・ ネガティブな感情の持続

 

・ 重要な活動への興味・関心・参加頻度の著しい低下

 

・ 孤立感・疎遠感

 

・ ポジティブな感情が生起しない

 

・ 他者への言語的・行動的な攻撃(苛立ち・怒り)

 

・ 無謀または自己破壊的な行動

 

・ 過剰な警戒心

 

・ 過剰な驚愕反応

 

・ 注意の持続困難

 

・ 睡眠障害

 

これらの症状は非常に耐え難い苦痛を伴うため、日常生活に大きな支障が生じ、対人恐怖や失職、アルコール依存、自殺などのさらなる障害や不都合をきたすケースが多くあります。

 

心的外傷後ストレス障害(PTSD)のクライエントの約半数は3カ月以内に回復しますが、予後不良なものも多いとされています。

 

それらに対しては、通常、薬物療法だけでは十分な効果は得られないことも多く、特異的な症状に焦点を当てた行動療法や認知行動療法などが効果的な場合があります。

 

文部科学省後援こころ検定2級対応メンタルケア心理士(R)でも精神医科学基礎でDSM-5分類法に準拠した「PTSD」に触れています。心理学、心理カウンセリングに興味のある方はまずはお気軽に資料をご請求ください。

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