コラム

パーソナリティ心理学とは <26/8リライト>

2026.8.10 心理
  • パーソナリティ心理学
  • こころ検定3級

心理学の一分野にパーソナリティ心理学というものがあります

【目次】

  1. 1.パーソナリティ心理学とは何か
  2. 2.パーソナリティの定義と一貫性
  3. 3.2つの理論と現代への活用
  4. 4.AIが変えるパーソナリティ研究の最前線(2026/08/10)

 

1.「その人らしさ」を科学する

パーソナリティ、つまり人格や性格などの「その人らしさ」を研究の対象とした心理学の領域が、パーソナリティ心理学です。「その人らしさ」を扱うことから、パーソナリティ心理学は他の心理学領域と比べて、個人差に対する関心が非常に高いものとなっています。日本には、日本パーソナリティ心理学会という学術学会があり、精力的に研究活動が実施されています。

2.変わらない「その人らしさ」

パーソナリティの定義として「人間の具体的な振る舞い・言語表出・思考活動・認知・感情などに時間的・空間的一貫性を与えているもの」とされています。
時間的一貫性とは、多少の変化や波はあっても、時間の経過によって変化することがあまりないことを意味します。また、空間的一貫性とは、多少の違いはあっても、ある場面や状況で変化することは少なく、かなり共通した特徴が認められることを意味します。

今、目の前にいる「山田太郎さん」の言動にうかがえる「太郎さんらしさ」は、「山田太郎さん」という個人において、ずっと以前から続いてきたものであり、明日も一週間後も、おそらくそのままであろうと予測することができます。

同様に、ある状況における「山田太郎さん」の振る舞いの特徴は、他の状況でもほぼ同じであろうと期待できるはずです。むしろ、昨日までの「山田太郎さん」とは全く別人のような振る舞いが観察されれば、周囲の他者は大きな違和感と強い不安を覚えるかもしれません。また、「山田太郎さんは、どんな人ですか?」と聞かれた際、その人の外見的特徴を記述するのではなく、その人のパーソナリティを端的に説明するような特徴を述べるのが一般的です。

このように、パーソナリティとは、私たち誰もが「実体のあるもの」として、人間の個性の中核をなすものとして認識しているといえるでしょう。

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3.類型論と特性論、そして今

パーソナリティに関する興味・関心は、科学的な心理学の誕生以前から連綿と続いており、それは人間の個性の違いに対する興味・関心が非常に高いということを示しています。
古代ギリシアや古代ローマの時代には、既に「快活」「冷淡」「易怒」「抑うつ」といったパーソナリティの特徴を体液のバランスで理解しようとする体液説というものがありました。
その後、かなり時代を下り、科学的な心理学が誕生してからも、パーソナリティに関する研究は続けられました。パーソナリティには、顔や指紋のように1つとして同じものはないということは、一般的にも学術的にも納得がいく考え方です。

しかし、それを体系化・カテゴライズし、学問として整理・記述するための方法は、大きく分けて2つあるとされています。1つは、いくつかのパーソナリティの典型を想定し、いずれの典型に近いかという発想から捉える類型論、もう1つは、パーソナリティをいくつかの構成要素(次元)に分け、それぞれを記述することで全体を捉えようとする特性論です。
類型論で最も有名なのが、クレッチマーによる分裂気質・循環気質・粘着気質という分類です。また、科学的には証明されていませんが、血液型による性格診断というものも類型論に分類されるといえるでしょう。血液型がパーソナリティを規定することはないと実証されているにもかかわらず、信じている方が多いのは、少数の類型(タイプ)で分類が可能であるということが関係していると考えられています。

一方、特性論では、「外向・内向」(向性)、「神経症傾向」「気分の易変さ」といった複数の特性をそれぞれ記述することで、パーソナリティ全体を説明する方法をとります。
類型論の方が個性を直観的に捉えやすいという特徴があり、特性論は細かな違いを記述し、定量化することに効果的であるという特徴があります。
このように、パーソナリティに関する研究は太古の昔から進められており、現在ではより洗練された形で、職業選択や進路指導など日常生活の様々な場面で活用されています。

 

4.AIは相手に合わせて性格を変える

最新のパーソナリティ心理学の研究成果は、様々な形で社会で活用されています。たとえば、人間の書いた文章(テキスト)や動画の内容から自動的にパーソナリティを推定するというものがあります。これまでは、いわゆる心理検査として質問に回答することでパーソナリティを測定・評価することが多かったのですが、最新の研究成果に基づくサービスでは、就職の採用場面で求職者が書いた履歴書や面接での話し方をAIが分析し、パーソナリティを推定することが可能となっています。現在、これらの文章や動画のデータによるパーソナリティ推定は、ビッグ・ファイブ(主要5因子理論)と高い精度で一致することが判明しています。

心理学・精神医学の領域においても、AIとの関連性は日々、強くなっています。これはパーソナリティ心理学においても同様であり、AI自体にパーソナリティを持たせたり、ユーザーのパーソナリティに合わせてAIの態度を変えたりするサービスが開発されています。たとえば、ユーザーがビッグ・ファイブ(主要5因子理論)における神経症傾向が高い場合、そのパーソナリティ傾向に合わせた態度をAIに持たせることが技術的に可能となっています。そのため、神経症傾向が高いユーザーには、過度にポジティブな言葉遣いを避け、共感と安心感を与えるトーンで対話するように、発信内容を調整しているのです。

これが実際の人間では難しいのは、相談を受ける側にもパーソナリティがあり、これは固定的で変動しにくいものなので、相談してきた相手に合わせてコロコロ変化させることが非常に難しいからです。そのため、相談を受ける相手そのものを変更するほかに方法がありません。しかしAIであれば、いくらでもAI自身のパーソナリティを変更して、相談相手にフィットさせることができます。

 

・初回投稿:2018年12月7日 

・リライト及び新規追加:2026年8月10日 

 

こころ検定1級合格条件のメンタルケア心理専門士

 

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著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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