心理

2021/10/28

10月生まれの心理学・カウンセリング専門家 part5

心理学・カウンセリング・メンタルケアの専門家には、10月生まれの著名な先生方がいます。ローレンス・コールバーグは道徳性の発達に関する研究で有名です。

 

ローレンス・コールバーグは1927年10月25日生まれのアメリカの心理学者です。コールバーグは1927年にアメリカのニューヨークに生まれ、1949年にシカゴ大学を卒業しています。その後、1958年には同大学で哲学の博士号を取得しています。シカゴ大学に在学中は、発達心理学者として有名なピアジェの認知発達理論の影響を受けた研究をしており、博士論文にもその影響が強く現れています。シカゴ大学の博士課程修了後は、エール大学の助教授や準教授を経て、1968年にハーバード大学で教育学・社会心理学の教授に就任します。そして、道徳性の発達段階に関する研究をスタートさせます。

 

 

コールバーグの道徳性発達理論は、表面的な道徳的行動や知識の内容だけでなく、道徳的判断の背後にある認知的な構造に焦点をあてたものです。このあたりにも、ピアジェの認知発達の理論の影響が認められます。コールバーグは道徳性を正義と公平さと規定し、次のような3水準6段階の発達段階説を提唱しています。

 

 

(1)慣習以前のレベル

:第1段階 罰と服従への志向

 

 

たとえば「怒られなければ、大丈夫」や「警察に捕まらなければ平気」などのような状態。罰の回避と力への絶対的服従がそれだけで価値があるものであるという考え方に基づいている。罰せられるか、褒められるかという観点で行為の結果のみが、その行為の善悪を決定するものであるというもの。

 

 

:第2段階:道具主義的・相対主義への志向

 

 

たとえば「きっと、あの人は良い人だから、真面目に取り組んでくれるはずだ」や「世の中は公平公正であるべきだ」などのような状態。正しい行為は、自分自身や自己と他者相互の欲求や利益を満たすものとして捉えるもの。具体的な物や行為の交換の際に「公平」や「公正」であることを重要な問題として捉えている。しかし、それは単に物理的な相互の有用性という点から考えられているだけである。

(2)慣習的レベル

:第3段階:対人的同調あるいは「よい子」への志向

 

 

たとえば「誰かの役に立つんだから、しっかりとやろう」というように、善い行為とは他者を喜ばせたり助けたりするものであり、他者に善いと認められる行為であるという考え方。多数意見や「自然な」「普通の」行為について、紋切り型のイメージに従うことが多い傾向にある。行為は、しばしばその動機によって判断され、初めて「善意」が重要となる段階。

 

 

:第4段階:法と秩序の維持への志向

たとえば「法律を守ることは重要だ」というように、正しい行為とは、社会的権威や定められた規則を尊重し、それに従うこと、すでにある社会秩序を、秩序そのもののために維持することであるという考え方。

 

 

(3)脱慣習的レベル

:第5段階:社会契約的遵法への志向

 

 

たとえば「人の命はお金よりも重要だ」のように、規則を固定的なものでも権威によって押し付けられるものでもなく、そもそも自分たちのためにある変更可能なものとして理解する。正しいことは、社会には様々な価値観や見解が存在することを認めた上で、社会契約的合意にしたがって行為をするという考え方。

 

 

:第6段階:普遍的な倫理的原理への志向

「人の命は、世界中の何よりも大切なものだ」というように、正しい行為とは「良心」に従った行為であるという考え方。良心は論理的包括性や普遍性ある立場の互換性といった視点から構成される「倫理的原理」に従い、何が正しいかを判断する。この段階では、この原理に従って、法を超えて行為することができる。

 

 

コールバーグの道徳性の理論は、教育現場などでも広く活用されるものとなっています。また、発達心理学の観点からも、子どもの精神発達において重要な要素ともなっています。

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