コラム

フレイルの日と心理学の関係

2026.1.29 心理
  • 健康心理学
  • こころ検定1級
  • 心理

ノーベル賞授賞式と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
 

【目次】

  1. 1.2月1日は「フレイルの日」
  2. 2.つながりで防ぐフレイル
  3. 3.心・体・つながりで守る未来
  4. 4.まとめ

 

1.2月1日は「フレイルの日」

日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。21日は「フレイルの日」に制定されています。これは一般社団法人スマートウエルネスコミュニティ協議会、日本老年学会、一般社団法人日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の4団体が共同で制定したものです。日付の由来は21日を「201」として「フ(2)レ(0)イ(1)ル」の語呂合わせからきています。この日はフレイルの概念、予防の重要性を多くの人に認識してもらい、健康長寿社会の実現を図ることが目的となっています。

では、フレイルと心理学にはどのような関係があるのでしょうか。

 

2.つながりで防ぐフレイル

フレイルとは従来「虚弱」とよばれていたものであり、当初は身体的な虚弱(虚弱体質など)を指す用語でした。現在では、身体的な虚弱だけでなく、心理的・精神医学的な要素や社会的(コミュニケーションや孤立・孤独等)な要素などを含み、さらにそれらの要素から複合的に生じる要介護に向かう加齢変化を総合的に取りまとめる幅広い概念となっています。このフレイルに関する定義は日本老年医学会が2014年に提唱したものです。従って、

フレイルとは加齢による心身の衰え(ネガティブな変化)のことであり、健康な状態と要介護状態の中間に位置づけられるものです。

また、フレイルに関する団体として、スマートウエルネスコミュニティ協議会(SWC協議会)があります。この団体は従来の健康・医療に関するアプローチに留まらず、まちづくりやスポーツなど多様な要因に目を向け、産官学連携による幅広い叡智を集めて課題解決する組織として2015年に設立されたものです。SWC協議会では健康づくりに無関心な層を半減させることを目標としており、インセンティブ制度・ビジネス分科会、健幸アンバサダー・人材育成分科会、AI・情報銀行データ利活用分科会、スポーツ・レガシー分科会、まちづくり分科会、地域健幸ビジネス分科会、動脈硬化予防啓発分科会の7つの分科会を立ち上げ、テーマ毎の独自の切り口から調査研究を実施し、政策提言に繋げるための様々な活動を進めています。

 

3.心・体・つながりで守る未来

フレイルについて、健康心理学において主に3つの側面から研究が実施されています。1つ目は身体的フレイルであり、筋力低下(サルコペニア)・体重減少・歩行速度の低下・

疲れやすさ・活動量の低下などが挙げられます。これらは文字通り、身体機能の衰えが中心となるものであり、運動習慣や栄養改善で改善しやすいとされています。2つ目は心理的フレイルであり、抑うつ状態・認知機能の低下・意欲の低下(アパシー)などがあります。これらは精神的健康が低下することによって身体活動が減少し、さらに身体的フレイルが促進されることによって発生します。まさに心身相関であり「病は気から」ということになります。3つ目は社会的フレイルであり、一人暮らし・他者との交流機会の減少・社会参加の減少・経済的不安定などがあります。これらは孤立感や生きがいの低下によって、心理的フレイルや身体的フレイルへと連鎖していくことになります。

続いて、老年心理学におけるフレイルの研究についてです。老年心理学では加齢に伴う喪失への適応課題という観点があります。65歳以上の老年期では、退職・知人や友人との死別・社会的役割の減少・身体能力の低下などの多くの喪失経験が同時に発生する可能性があります。しかし、これらは加齢に伴う避けようのないものです。そこで、これらの喪失に上手く適応することが重要となります。老年心理学では、これらの喪失にうまく適応できるかどうかが、その後の人生にも大きな影響を及ぼすとされています。適応をサポートする要因として、ソーシャルサポート・役割や生きがいの維持・自己効力感・適切な運動および食習慣などが挙げられます。

さらに、福祉心理学ではフレイルを個人だけでなく環境との相互作用として捉えています。福祉心理学では地域包括ケアを重視しつつ、本人の主体性の尊重する「される支援」から「自ら選択する支援」への転換がポイントとなります。そこで環境要因の調整として、外出しやすい歩道の整備、コミュニティスペースの設立、交通アクセスの利便性などの地域での対応が重要となります。

 

4.まとめ

このようにフレイルについて、心理学では様々な観点から研究・実践が進められているのです。

 

 

著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

「つぶやきコラム」は、医療・福祉・心理学・メンタルケアの通信教育スクール「TERADA医療福祉カレッジ」が運営するメディアです。
医療・福祉・心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、調べたいことがある、学んでみたい人のために、学びを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連記事