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日本では、1年365日のすべてに何らかの記念日が制定されています。11月14日は「パチンコの日」です。これは、全日本遊技事業協同組合連合会(旧・全国遊技業協同組合連合会)が1979年に制定したものです。1966年11月14日に同連合会が、当時の通商産業省(現在の経済産業省)から正式に認可を受けたことがきっかけとなっています。
当初は「パチパチ」と読む語呂合わせから8月8日にする案もあったようです。しかし、8月は2月とともに「ニッパチ月」と呼ばれ客足が落ちる月であるため、ボーナス時期を控えて客の増加が見込まれる11月が記念日に選ばれたという経緯があります。
パチンコは日本発祥の遊技で、漢字では「自動球遊器」と表記され、日本では風俗営業に分類されています。そのため、パチンコ店を開業するには、事前に都道府県公安委員会の許可を受けなければならないなどの規制があります。いわゆるパチンコ店は1930年に最初の店舗が開店しました。その後、第二次世界大戦中には不要不急の産業として一時全面禁止となりましたが、終戦後に復活しています。
それでは、パチンコと心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
現在の精神医学には、「ギャンブル障害」という診断概念があります。パチンコはギャンブルと同様の性質を持つ遊技ですが、パチンコをするすべての人がギャンブル障害になるわけではありません。たとえば、休日に月1~2回遊ぶ程度である、使う金額をあらかじめ決めてそれを超えない、負けてもそこでやめられる、仕事や家庭生活に影響が出ていない、といった状態であれば、特に問題はないと考えられます。
一方で、負けたお金を取り戻すためにさらに打つ、「今日はやめよう」と思ってもやめられない、借金をしてまで打つ、仕事や家族よりパチンコを優先する、パチンコのことが頭から離れない、問題が生じていると自覚していても続ける、といった状態になると、単なる娯楽の範囲を超えており、ギャンブル障害を疑う必要が出てきます。

パチンコに限らず、ギャンブルには「やめるのが難しい」という特徴があります。パチンコを例にすると、毎回必ず勝てるわけではなく、当たりは不規則に生じます。これは、学習心理学における変動比率スケジュール(VRスケジュール)に近い特徴です。そのため、「次は当たるかもしれない」という予測できなさが、行動を強く維持させることがあります。
さらにギャンブルでは、実際に大勝ちした経験だけでなく、勝ちに近い経験や期待そのものが行動を強化することがあります。パチンコでは、「もう少しで当たりだった」「リーチがかかった」「惜しかった」「次こそ来そうだ」といった経験が頻繁に生じます。人間は必ずしも客観的な確率を正確に認知できているわけではないため、止め時を見失ってしまうことがあるのです。
認知面では、ギャンブル障害に特有の認知の偏りとして「追い上げ(chasing losses)」があります。たとえば、ギャンブルで10万円負けたとします。通常であれば「今日は10万円負けた。ここでやめよう」と考えることができます。しかし、ギャンブル障害の状態にあると、「10万円負けた。だから、あと5万円使って15万円を取り返そう」と考えてしまうことがあります。そして、さらに負けると「ここまで負けたのだから、今さらやめられない」となり、損失がますます大きくなるという悪循環が生じます。なお、アメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5でも、ギャンブルで失ったお金を取り戻そうとして、さらにギャンブルを続けることが、ギャンブル障害の診断基準の1つに挙げられています。
では、パチンコをする人は、必ずしもお金を儲けたいという理由だけでパチンコをしているのでしょうか。パチンコには、現実から一時的に離れるという機能がある場合があります。これは心理学的には、一種の逃避行動、あるいは気分調整行動として理解できます。そのため、「パチンコをすると嫌なことを忘れられる」という経験が繰り返されると、心理的な苦痛を感じたときにパチンコへ向かいやすくなる可能性があります。
このように、ギャンブル障害やパチンコへの極端な依存には、強化学習、認知バイアス、感情調整、衝動性、ストレスコーピング、脳の報酬系、習慣形成などが複雑に関係しています。心理学では、パチンコについてもさまざまな角度から研究が行われているのです。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部 「つぶやきコラム」は、医療・福祉・心理学・メンタルケアの通信教育スクール「TERADA医療福祉カレッジ」が運営するメディアです。 医療・福祉・心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、調べたいことがある、学んでみたい人のために、学びを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。