世界ゴリラの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
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日本では、365日すべてに何らかの記念日が制定されています。9月24日は「世界ゴリラの日」です。これは、ダイアン・フォッシー国際ゴリラ財団(Dian Fossey Gorilla Fund International:DFGFI)が2017年に制定したもので、英語表記は「World Gorilla Day」です。
この日は、絶滅の危機にある野生のゴリラと、その生息地である森林などの自然を守ることを目的としています。また、ゴリラやチンパンジー、オランウータンなどの大型類人猿に感謝を表し、保護活動をより一層強化するための日でもあります。
財団の設立者であるダイアン・フォッシーは、アメリカの霊長類学者です。ケニアの古人類学者ルイス・リーキーの支援を受け、ルワンダの火山国立公園の森林で18年間にわたりマウンテンゴリラの生態を調査しました。1967年には、ルワンダの標高約3,000m、広さ約25平方キロメートルの高地にカリソケ研究センターを設立し、マウンテンゴリラの研究と保護に尽力しました。
記念日が制定された2017年は、同センターの設立50周年にあたります。また、フォッシーが1983年に出版した著書『霧のなかのゴリラ――マウンテンゴリラとの13年』には、マウンテンゴリラの研究と彼女自身の人生が綴られており、同書は1988年に映画化されました。
なお、この記念日の賛同団体には京都市動物園も名を連ねています。同園ではこの日にちなみ、ゴリラの保全や普及啓発に向けた取り組みとして、飼育員がゴリラの魅力を紹介するガイドや、プレゼントキャンペーンなどのイベントを実施しています。
では、ゴリラと心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
心理学の分野では、動物心理学や比較心理学を中心にゴリラの研究が進められています。人間を含む多くの霊長類は、群れの中での厳格な順位付け(序列)を重視します。しかし、同じ霊長類でありながら、ゴリラは優劣よりも共感を重んじる社会を築いていることが明らかになっています。
ゴリラは、相手に負けを認める態度や、へりくだるような服従の表情をほとんど見せません。個体間に力の差はあっても、それによって支配・被支配の関係が固定されることはないのです。また、序列の厳しいニホンザルなどでは、優位な個体がいると他の個体は食べ物に近づけませんが、ゴリラは集まって食事をし、互いの顔を見ながら穏やかに過ごします。
これは、彼らが自己の利益よりも平和な共存を優先していることを示唆しています。

また、ゴリラは非常に洗練されたコミュニケーション能力を持っていることも分かっています。ゴリラは人間と同様に、相手と目を見つめ合うことでコミュニケーションを取ります。これは単に状況を確認するためだけでなく、相手が何を望んでいるのか、自分はどう振る舞うべきかを考え、相手の感情を読み取ろうとする行為(共感)です。
ゴリラは相手の目を見つめることで相手の心に寄り添い、状況に応じて柔軟な態度をとります。こうした振る舞いが、彼らの平和な社会を支える潤滑油の役割を果たしていると考えられます。
さらに、ゴリラは人間と同じように、遊びを通じたコミュニケーションをとることも分かっています。特に若いゴリラ同士の遊びには、高度な心理的やり取りが含まれていることが明らかになっています。遊びの最中、力の弱い個体は「グコグコ」といった笑い声を出すことがあります。
この声を聞いた力の強い個体は、「相手は楽しんでいる」「この強さなら攻撃にはならない」といった情報を受け取り、遊びの強度を調整しています。また、子どもはドラミングなどの行動を親の姿から模倣して学びます。ゴリラは世代を超えた社会的な関係性の中で、生きていくための作法を学んでいると考えられています。
このように、心理学ではゴリラについてもさまざまな角度から研究が行われています。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部 「つぶやきコラム」は、医療・福祉・心理学・メンタルケアの通信教育スクール「TERADA医療福祉カレッジ」が運営するメディアです。 医療・福祉・心理学・メンタルケア・メンタルヘルスに興味がある、調べたいことがある、学んでみたい人のために、学びを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。