水の日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
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日本では365日すべてに何らかの記念日が制定されています。8月1日は「水の日」に制定されており、これは国土交通省(旧:国土庁)が1977年に制定したものです。日付の由来は、一年のうち水を最も使う月が8月であり、その月の最初の日である8月1日であることがきっかけとなっています。
水の日の8月1日から8月7日までが「水の週間」となっており、限りある水資源の大切さを考えてもらい、節水を呼びかけることが目的とされています。なお、2014年に施行された水循環基本法において、水の日は8月1日として、国民の間に広く健全な水循環の重要性についての理解や関心を深める日として正式に法定化されています。
さらに、国土交通省のWebサイトでは、「水の日」および「水の週間」は、水資源の有限性、水の貴重さ、および水資源開発の重要性について国民の関心を高め、理解を深めることが目的、と記載されています。この期間を中心として、ポスターによる啓発や講演会の開催など、全国的にイベントが実施されています。では、水と心理学には、どのような関係があるのでしょうか。
水(水分)と心理学・精神医学・メンタルヘルスの関係については、近年、主に生理心理学や精神医学の観点から非常に注目が集まっており、適切な水分摂取が心の健康を支える重要な因子であることが、科学的に示唆され始めています。
まず、生理心理学的な観点から、脳・神経の機能において水(水分)が非常に重要であることが判明しています。人間の脳は重量の約80%が水分で構成されており、非常に繊細な構造を持つ細胞群です。そのため、わずかな脱水状態であっても、脳の働きには明確な悪影響が出ることが報告されています。
代表的なものとして、脱水による認知機能の低下が挙げられます。体液の1〜2%程度の損失による軽度の脱水状態であっても、集中力の低下、記憶力およびワーキングメモリー(作業記憶)の減退、反応時間の遅延が生じることが確認されています。その結果、脱水状態では、日常的なタスクがより困難でストレスフルに感じられるようになってしまうわけです。
そして、脱水状態は感情にも影響を及ぼすことが判明しています。軽度の脱水状態であっても、イライラ、混乱、疲労感が増すことが、多くの研究で報告されています。特に女性は男性よりも、脱水による気分の変化を受けやすいという研究結果もあります。
さらに最新の研究では、日常的な水分摂取量が少ない人ほど、急性のストレスに対してコルチゾールなどのストレスホルモンが過剰に分泌されやすい傾向があることが示唆されています。逆に言えば、しっかりと水分が摂取できていれば、ストレスに対して余裕を持って対応しやすくなる可能性があるということになります。
よりメンタルヘルス的な観点では、精神疾患と水(水分)にも関連が認められることが判明しています。大規模な調査や疫学研究の結果、水分摂取量と不安・抑うつリスクの間に相関関係があることが示されています。なお、水分を十分に摂取している人は、そうでない人に比べて、不安や抑うつ症状のリスクが低いという分析データも提示されています。
また、水(水分)は神経伝達物質への関与も大きいことが知られています。水分は、気分を安定させる神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンなどの生成やバランス調整において、重要な役割を果たしています。そのため、水分不足は、これらの物質の正常な働きを阻害するリスクがあると考えられています。
最も新しい部類の研究成果としては、水(水分)を社会心理学的な観点から研究しているものもあります。必要なときに安全な水が得られないという状況が引き起こす「水不安」という現象は、慢性的な精神的不安、怒り、恥、将来への絶望感の大きな要因となります。これは単なる物理的な渇きではなく、社会的不平等や環境問題が引き起こすメンタルヘルスの問題として、精神社会学の分野でも注目されています。
このように、水(水分)について心理学では、さまざまな観点から研究が実施されているのです。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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