コラム

ストレスチェック制度の“これから”

2026.4.9 その他
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トレーニングの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
 

【目次】

  1. 1.これからのストレスチェック制度
  2. 2.職場を守る心の健康診断
  3. 3.科学的根拠で測る職場ストレス
  4. 4.今こそ学ぶストレスチェック

 

1.これからのストレスチェック制度

現在、日本の産業領域では、従業員のメンタルヘルス対策や健康経営の推進が強化されています。心理カウンセラー等の心理専門職・心理支援職も、これらのプロジェクトに従事することが増えており、産業・組織心理学や職場のメンタルヘルスに関する知見・技術が求められています。このような職場のメンタルヘルス対策の中核を成す制度の一つが、ストレスチェック制度です。本コラムでは、ストレスチェック制度の基本について解説していきたいと思います。

 

2.職場を守る心の健康診断

ストレスチェックは、労働安全衛生法が2014年に改正されたことを受けて、翌年の201512月から義務化された制度です。ストレスチェックは、常時使用する労働者が50名以上いる事業所において、年に1回、仕事に関するストレス(メンタルヘルス)について確認・評価することを義務づけるものです。
なお、ここでいう事業所とは、学校などの教育機関、病院などの医療機関、市役所などの公共機関なども幅広く含むものであり、一般的な企業だけではなく、非常に多くの組織が該当します。また、常時使用する労働者が50人未満の事業所では、ストレスチェックの実施は努力義務とされています。さらに、派遣社員については、派遣元事業場が派遣労働者に対して年に1回実施することが義務づけられています。

ストレスチェックの主な目的は、労働者のストレスの程度を把握し、労働者自身のストレスへの気づきを促すことで、職場環境の改善や働きやすい職場づくりを進めていくことです。これは、労働者がメンタルヘルス不調に陥ることを未然に防ぐものであり、職場のメンタルヘルス対策における一次予防に位置づけられています。

 

3.科学的根拠で測る職場ストレス

ストレスチェックは、調査票による検査を実施し、ストレスの程度を点数化・評価することが定められています。そして、評価の結果として高ストレス者を選定し、産業医等による面接指導の要否の確認へとつなげていきます。
ストレスチェックは、労働者の心理的な負担の原因である「ストレス要因」、心理的な負担による心身の自覚症状である「ストレス反応」、職場における他の労働者からの支援に関する「周囲のサポート」という、三つの要素で構成された調査票を使用して実施する必要があります。

これらの条件をすべて満たしているものとして、厚生労働省が使用を推奨しているのが、職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)です。この調査票を使用してストレスチェックを実施することで、仕事の量的負担と仕事のコントロールに関する質問項目への回答結果に基づく判定(量コントロール判定図)を出すことができます。また、上司のサポートおよび同僚のサポートに関する質問項目への回答結果に基づく判定(職場の支援判定図)も出すことができます。
この二つの判定図を合わせて「仕事のストレス判定図」と呼び、ストレスチェックでは、この結果が最も重視されています。

職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)の標準版は、57問の質問項目で構成されています。量的負担、コントロール、上司のサポート、同僚のサポートは一部の質問項目に該当しますが、他にもさまざまな質問項目が含まれています。ただし、その中でも特にこれら四つの要素が重視されているのは、アメリカ国立安全衛生研究所(NIOSH)の職業性ストレスモデルを基準としているためです。このモデルでは、職場のストレッサーが急性のストレス反応発生の原因となり、この状態が持続することで、やがて疾患に至るとされています。さらに、職場のストレスには、個人的要因、仕事以外の要因、緩衝要因がそれぞれ影響を及ぼすとされています。
このように、ストレスチェック制度は、産業・組織心理学や精神医学の知見に基づく研究成果を活用した、科学的根拠に基づく制度となっています。

 

4.今こそ学ぶストレスチェック

2025年現在、ストレスチェック制度がスタートしてから、ちょうど10年目を迎えています。ストレスチェックの「これまで」は一つの区切りを迎え、これからはストレスチェック制度の「これから」を考えていく段階に入ったのではないでしょうか。そこで、ストレスチェックプランナー協会と教育ナビゲーション株式会社では、eラーニング研修講座として「ストレスチェック実務担当者・実施事務従事者研修(初級)」を開講しています。本研修では、現在のストレスチェックに関する基本的な事項をすべて網羅していますので、興味・関心のある方は、ぜひ受講していただければと思います。

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著者・編集者プロフィール

この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部

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