防災とボランティアの日と心理学には、どのような関係があるのでしょうか
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日本では365日の全てに何らかの記念日が制定されています。1月17日は「防災とボランティアの日」に制定されています。これは1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災にちなんで制定されたものです。1995年12月の閣議で記念日の制定が決定され、翌年の1996年から実施されています。この日は災害に対する自主的な防災とボランティア活動の認識を深め、災害への備えの充実を図ることが目的となっています。
この記念日のきっかけとなった阪神・淡路大震災は震源が淡路島北部沖の明石海峡で、深さ16km、マグニチュード7.3という戦後初の大都市直下型地震であり、最大震度7の激震が適用されました。死者6,434名、行方不明者は3名、負傷者は4万3,792名、全壊・半壊した家屋は約25万棟となっており、兵庫県を中心に大阪府や京都府など近畿圏の広域で大きな被害を出しました。なお、この日には発生時刻の午前5時46分に合わせ、被災各地で追悼行事が営まれています。また、震災の際に学生を中心とした多くのボランティアが活躍したことから、1995年は日本の「ボランティア元年」ともよばれており、1月15日~21日は防災とボランティア週間となっています。同様に関連する記念日として、1月17日は「ひょうご安全の日」、12月5日は国際ボランティア・デーなどが制定されています。
では、防災やボランティアと心理学にはどのような関係があるのでしょうか。
心理学の分野の1つとして、災害心理学というものがあります。災害に対する人間の心理的な反応や災害時の行動、さらには災害の社会的な影響を研究する領域を指します。ここでいう災害とは、地震・津波・火災・ガス爆発のような大事故など、主として規模が大きく被害者の多い災害を想定しています。しかし、規模が小さい、または被害者が少なかったとしても、被害者の精神的な打撃は無視できないという意見もあり、必ずしも規模や被害者数のみを基準に研究対象になるかどうかを決定しているわけではありません。
災害心理学の基本的な立場として、人間的な原因による災害の発生(例:失火、ガス事故など)を可能な限り防ぐとともに、その発生が防げないような天災であっても、人間的な要因による被害の拡大を最小限にくい止めることを目的としています。災害に関わる人間の行動や反応の法則を発見するとともに、そのコントロールが研究における重要なキーワードとなっています。また,建築学や社会学などの他の学問領域からの知見を必要とすることが多く、災害心理学は学際的な研究も多くなされています。さらに、災害の被害者およびその家族の精神的な打撃がどのようなものなのか、また、それをどのように回復していくかは、主に臨床的な立場から検討されています。また、心理的回復に対する家族や友人、地域社会まで含めた周囲の人々からのソーシャル・サポートの影響、ボランティアの役割など、検討すべき課題は多いです。社会心理学の立場からは、災害時における避難行動・パニックの発生と制御の問題が盛んに検討されています。災害時のマスコミの報道・被災地での情報、さらには地震予知のような災害情報がどのように伝達され、人々に理解されているかについての研究も進められています。災害時の人々の行動には、日常の行動パターンや態度が影響しているという考え方から、集合行動・人々の災害観・災害に対する備え・リスク認知などに関する研究も行われています。これらの研究成果に基づいて、災害に対する教育や啓蒙活動も災害心理学の専門家の重要な役割となっています。
このように、心理学では災害やその支援およびボランティア活動などについても、様々な角度から研究が実施され、その成果が実践場面で活用されています。
この記事を執筆・編集したのはTERADA医療福祉カレッジ編集部
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