心理

2019/10/3

心理カウンセラーの基本的態度とは

心理カウンセラーには、どのような専門性であっても遵守する基本的態度というものがあります。

心理カウンセラーには、どのような専門性を持つ専門家であっても、遵守すべき基本的態度というものがあります。

 

これは、来談者中心療法において提言されているものです。

 

ただし、来談者中心療法だけに限定されたものではなく、全てのカウンセラーが遵守すべき最低限の基本的態度という位置づけになっています。

 

具体的には3つの基本的態度が重要となっています。

 

1.純粋性

 

純粋性とは、自己概念が一致している状態であるということを指します。

 

自己概念とは来談者中心療法やその背景となる人間性心理学における重要な要素の1つです。

 

自分自身を客観的捉えることであり、認知様式やパーソナリティ、能力、身体的特徴などに関するものです。

 

自己観察や周囲の他者からの言動や態度、評価などを通して形成されるとされています。

 

自己概念は過去・現在の経験を統合した知識であり、それに加えて、将来の行動や意識のあり方を左右するものであり、当事者についての新たな知識の獲得を方向づけるものとなっています。

 

たとえば、自分は良い父親だと強く考えている人は、過去に子どもを育てた経験を記憶に留め、子どもとの約束を破ったことは忘れてしまったり、あるいは自分の責任以外の原因に問題への要因を帰属させてしまうことがあります。

 

このように、自己概念は基本的に自分自身の認知・感情・行動・パーソナリティに照らし合わせて「自分はこういう人間だから、この現状は納得のできるものだ」というように自分自身を理解する能力であるということになります。

 

実は、この自己概念が不一致の状態が、悩みを抱えている状態や、高いストレスにさらされている状態、精神疾患の状態であるとされています。

 

この不一致の状態を一致させていくのがカウンセリングであるとされています。

 

この際、不一致の人同士でどれだけ会話をしても、お互いの問題は解決しません。

 

また、一致している同士であれば、たとえ何らかの問題を抱えていたとしても、それを自身で解決することができる状態にあるので、相談をする必要もなければ、支援を受ける必要もないと考えられます。

 

つまり、心理カウンセリングとは、自己一致の状態にあるカウンセラーと、自己不一致の状態にあるクライエントとの間で実施されるものなのです。

 

そのため、カウンセラー側は必ず自己概念が一致している状態でなければならないのです。

 

2.無条件の肯定的配慮

 

単に無条件の肯定とも、受容ともよばれます。

 

これは、カウンセラーはクライエントに対して、何の条件もなく受け入れる態度を取らなければならないというものです。

 

無条件というのは「この人の精神状態が良くなると、私もカウンセリングをしたかいがある」というようなものもダメであるということです。

 

これは「カウンセリングするかいがあるか、ないか」という条件に基づいた対応となってしまっているからです。

 

また、家族だから助けてあげたいや、友達だから何とかしてあげたいというのも「条件つき」になるので、これも間違った対応ということになります。

 

従って、カウンセラーは自身の家族や友人のカウンセリングをしてはいけないわけです。

 

3.共感的理解

 

単に共感とよばれることもあります。

 

これは、クライエントの認知様式などを理解した上で、クライエントと同じように考え、感じ、理解するということを指します。

 

「なるほど、あなたはそのように考えたわけですね。そして、このように感じたのですね」というように、あたかもクライエント本人であるかのように理解するわけです。

 

これは同情とは似て非なるものです。

 

同情はクライエントの認知様式を理解しているのではなく、単に「あなたはかわいそうだと思う」や「私もあなたと同じ立場だったら辛いと感じるだろう」ということでしかありません。

 

どちらも、あくまで自分自身の立場から相手を理解しようとしているだけであり、相手と同じ考えや物事の捉え方になった上で理解しているわけではありません。

 

共感的理解と同情の違いをしっかりと身に着けることは、心理カウンセラーにとって重要な能力であるといえます。

 

心理カウンセラーの基本的態度については、こころ検定2級(メンタルケア心理士)のテキストであるカウンセリング基本技法の第6章で概観しているので、ご興味・ご関心がる方は、是非、勉強してみていただければと思います。

ページ一覧に戻る