心理

2017/8/24

8月生まれの心理学・カウンセリング・メンタルヘルスの専門家

 心理学・カウンセリング・メンタルケアの専門家には、8月生まれの著名な先生方がいます。ヴィルヘルム・ヴントは1832年8月16日生まれのドイツの哲学者・生理学者・心理学者です。ヴントはハイデルベルク大学で医学と生理学を専攻した後、講師となりました。また、生理学と物理学の専門家であるヘルムホルツの助手もつとめました。このころのヴントの関心は主に生理学の領域でしたが、ヘルムホルツの下で感覚に関する研究に従事したことから、次第に心理学や認識論の領域に関心を寄せるようになりました。その後、ヴントは1875年からライプチヒ大学で教授を務めるようになります。ヴントはライプチヒ大学の哲学部に実験心理学のための世界最初の心理学研究室を開設しました。このヴントが実験室を開設した1879年が科学的な心理学の幕開けであり、学問としての心理学のスタートであるとされています。この実験室で実施された実験では、その実験対象を直接経験に基づく意識的なものに限定しており、分析的内観と精神物理学的実験を組み合わせるという、当時としては画期的な独自の方法で進められていました。また、ヴントは民族心理学を精神発達の視点から体系化しなおし直すなどの功績も残しています。著書としては、『生理学的心理学綱要』、『民族心理学』などの心理学に関連するものがある一方で、『論理学』や『倫理学』、『哲学入門』のような哲学に関する著作も多く、ヴントの関心の範囲が非常に広いことを物語っています。ヴントは心理学のいわば「父」でもあり、その後の様々な心理学領域の発展および、心理カウンセリングや心理アセスメントに及ぼした影響は計り知れないものがあります。
 
 エドワード・ソーンダイクは1874年8月31日生まれのアメリカの心理学者・教育学者です。ソーンダイクは、アメリカのマサチューセッツ州ウィリアムズバーグで生まれ、ウェスリアン大学・ハーヴァード大学・コロンビア大学などで学び、1898年に博士号を取得しています。その後、コロンビア大学で1940年までのほぼ40年間、心理学に関する研究に従事しました。ソーンダイクは1896年前後から動物の知能や学習に関する研究を開始し、様々な脊椎動物を用いて実験を実施しました。特に有名なものとしては、ネコを用いた問題箱による試行錯誤学習の実験があります。ソーンダイクはこのネコを使った実験から、学習には動物の能動的な行動が必要であるという練習の法則および効果の法則を提唱しました。特に効果の法則はその後、学習心理学・行動分析学の専門家であるスキナーに引き継がれ、学習に関する強化の概念として確立されていきます。その後、ソーンダイクは知能・個人差・教育測定をはじめとする教育心理学の研究に従事し、この方面でも他大な貢献をしました。
 
 ジャン・ピアジェは1896年8月9日生まれのスイスの心理学者です。ピアジェは10代のころにベルグソンの著作である『創造的進化』を読み、認識の生物学的なメカニズムの解明に一生を捧げる決心をしたとされています。あくまで哲学的であり、実験的基礎のないベルグソンの議論を超え、生物学と認識分析の間に哲学ではない何かが必要であると感じたピアジェは、その何かを心理学に見出そうとしました。ピアジェは子どものころから非常に優秀であり、何と10歳で論文を学術雑誌に投稿し、その論文が雑誌に掲載されました。そして、19歳で大学の動物学科を卒業すると、チューリッヒついでパリで心理学を学び、1921年に理学博士号を取得。同時に、ジュネーヴを本拠地として知能の構造を明らかにするための児童心理学研究を続けました。また、観念の発達に関する研究にも従事しました。1950年には『発生的認識論序説』全3巻を執筆し、科学としての認識論を構築しました。さらに、この分野には学際的研究が必要であると感じたピアジェは、1955年には発生的認識論国際センターをジュネーヴ大学に創設し、物理理学者や論理学者など諸科学の専門家と心理学者の共同研究による理論的検討と実験的分析を同時に進めました。これらの認識論に関する研究と児童心理に関する研究の結果、ピアジェは4段階の認知発達に関する理論を提唱しています。

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