心理

2017/3/10

春の新生活と心理学の関係

3月になり、卒業式シーズンとなりました。3月末に小・中・高・大学などで卒業式が行われ、その1週間後くらいには、子ども達は新たな学校に入学し、新しい生活をスタートさせ、大学4年生は社会人としての生活がスタートすることになります。新たな生活を前に期待と不安を感じているという人も多いのではないでしょうか。
 
3月から4月にかけては、季節の変わり目でもあり、季節性のストレスを感じることもありますが、生活が大きく変化する時期でもあるので、二重の意味でストレスを感じることがあります。
 
ストレスとは、何らかの変化に対して身体と心が適応しようとする際に起きるものです。学年が変わる、もしくは学校が変わることでクラス替えになる、大学入学をきっかけに一人暮らしをはじめる、学生から社会人へと変わるなど、これらの出来事は全て“変化への適応”を伴うものであるため、ストレスとなることも多いのです。誰でも急激な生活の変化には疲れを感じてしまいます。少しずつ、変化に適応していくことも大切ですので、春からの新生活では心身両面の健康に気をつけながら、ゆっくりと着実なスタートを切るのが良いでしょう。
 
さて、春から社会人になるという人がいる中で、3月の初旬から企業の採用情報が公開されはじめます。就職活動が本格化していくわけですが、就職活動と心理学はどのような関係にあるのでしょうか。就職活動は主に教育心理学の分野で研究されています。
教育心理学と聞くと、学校での授業を想像される人も多いかと思います。たしかに、教育心理学では、学校での授業や学力などについても研究していますが、児童・生徒の進路や学生の就職活動についても、教育心理学の研究対象となっています。大学生の就職活動はいわゆる“就職氷河期”とよばれる時期、なかなか内定が得られず、長期化していくことがストレスの原因となることが指摘されていました。現在は“氷河期”と表現されるほど厳しい状況ではないものの、多くの学生が複数回の“不採用経験”をすることになります。
 
研究の結果、就職活動における“不採用経験”は大きなストレスとなり、不安や抑うつ(落ち込み)、挫折感などのネガティブな影響を及ぼすことが判明しています。ただし、最終的に内定を勝ち取り、新社会人となる人達の大半が、少なからず“不採用経験”をしています。従って、ストレス、不安や抑うつ(落ち込み)、挫折感などを乗り越えた先に目標の達成(就職)があるのです。重要なのは“不採用経験”という過去の出来事に強く囚われずに、新たな採用試験や採用面接にエントリーし続けていくことです。正社員雇用の場合、最終的には1社(1事業所)にしか就職することはできないので“なかなか内定がもらえないという経験”も“いくつも内定がもらえたという経験”も、結局ゴールは同じということになります。
 
このように、最終目標である“就職”という将来・未来を常に意識できていれば良いのですが“不採用経験”によるストレスや挫折感から、就職活動自体を辞めてしまうという学生もいます。就職活動を途中で辞めてしまっては、内定・採用を得ることはできません。そこで“不採用経験”に負けずに就職活動を続けていくために必要となるのが、自己効力感です。自己効力感とは“自分はできる”という感覚のことであり“自信”と言い換えることもできます。自己効力感が高い状態であれば“不採用経験”による挫折も“自分はできるはずだ”という自信で乗り越えることができます。
 
人生において、困難や葛藤を避けてばかりはいられないので、時には、何かに立ち向かうことも必要になります。就職活動などの、人生の大きな分岐点となる出来事に対して、私たちはストレスを感じやすいものです。しかし、心理学的な研究の結果、そういった困難を乗り越えるための重要な要素となるのが“自信を持つ”ということなのです。

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